物件の仕組みと交渉術!美容室開業に必要な2つの不動産物件ノウハウ
美容室開業において立地もステキで家賃も安い物件は、そんなに簡単に出会えるわけではありません。
まずは物件の仕組みと不動産屋さんについて理解しましょう。
またコンセプトにピッタリで将来の収支面も含めて良さそうな物件に出会ったとしても気を付けて下さい。
何の交渉もせずにすぐに契約に踏み切ってしまうと無駄な資金の流出が起きてしまいます。
限られた予算内で考える必要もあるので物件選びには慎重さが欠かせません。
せっかくのチャンスを生かすために実践的な不動産物件ノウハウについて学んでおきましょう。
物件の仕組みと不動産屋さんについて
美容室を開業するための物件をインターネットで探す方が多いと思います。
様々なサイトで物件を探してみると同じ物件なのに違う不動産屋さんの仲介で情報が出てくることがあります。
物件の仕組み
例えば、インターネットで良さそうな物件を見つけたとします。
- 物件①
- 物件②
- 物件③
- 物件④
そして家から近い不動産屋さんがあるとします。
- A不動産
- B不動産
- C不動産
- D不動産
実はA~Dの不動産屋さんはこの良さそうな4つの物件を全て取り扱えるのです。
なぜなら一般公開されている物件でしたら、どこの不動産屋さんに行っても紹介できるからです。
不動産屋さんの仕組み
たまに現地で違う不動産屋さん同士で名刺交換していることがあります。
物件を借りたい人を実際に持っている不動産屋さんのために引き合わせているのです。
この仕組みの理由は、仲介手数料の取り分が物件ごとにあらかじめ決められているからです。
(例)仲介手数料の分け方
- Aが7割・Cが3割とか
- Aが9割・Cが1割とか
- Aが10割・Cが0割
どの不動産屋さんでもすべての物件を紹介できるようにすることで、お客様が物件を探しやすくしているのです。
不動産屋さんは1社だけでいいのか?
実はまだ市場に出ていないけれど、それぞれの不動産屋に届いている最新情報があります。
インターネット上に出る前の掘り出しモノの物件です。
そのため不動産屋さんを1社に絞り込まず、すべて回るつもりで望むべきです。
不動産屋さんは基本的にあまり相手にしてくれないことが多いです。
しかし上手くお付き合いができればレア情報を教えてくれる可能性もあります。
まず自分の美容室開業の計画を熱心に伝えていきましょう。
不動産屋さんとの交渉について
不動産物件取得費は交渉次第で値引きしてもらえるケースが意外にあります。
交渉時には、長期間お店を続ける意思があることを主張することも重要です。
不動産物件取得費について
不動産物件取得費の主な項目は、以下です。
- 保証金または敷金
- 礼金
- 不動産仲介手数料
- 火災保険料ほか各種保険料
- 家賃保証料
- 前家賃
不動産物件取得費の内訳
保証金または敷金
保証金は、退店時の修復費用を前もって預けておく仕組みです。
借りる側からすると人質を取られているようなイメージです。
出店地域によって様々ですが、家賃の10ヶ月分などの物件もあります。
できるだけ交渉して安くしておきたい項目です。
礼金
礼金は、貸主・大家さんの取り分です。
家賃の1~2ヶ月分が相場です。
不動産仲介手数料
仲介手数料は、不動産屋さんの取り分です。
家賃の1~2ヶ月分が相場です。
火災保険料ほか各種保険料
建物の構造、不動産契約更新時期によって額面が変わります。
1年間で3万円~5万円程度が相場です。
家賃保証料
家賃保証料を要求されることもあります。
家賃の1~2ヶ月分が相場です。
家賃保証料がかからないケースの方が多いです。
前家賃
不動産契約後、直近の1ヶ月分家賃のことです。
契約事情により2ヶ月前納期の場合もあります。
不動産初期投資費用は、出店地域や様々な条件により100万円以下の場合もあれば500万円相当になる場合もあります。
不動産契約時に上手く交渉することで保証金を安くしたり、カラ家賃を防ぐことができます。
不動産屋さんに交渉する目的とは?
美容室開業において不動産屋さんに交渉する目的は、とにかく安くしてもらうことではありません。
とにかく安くさせる交渉は不動産屋さんからしたら迷惑極まりない行為です。
家賃交渉の意味
- 家賃
18万円 - 日本政策金融公庫返済
11.5万円 - 銀行融資返済
9.5万円 - 人件費、アシスタント1名
17万円 - 光熱費、15坪×5,000円で想定
7.5万円 - 材料費、売上×10%で想定
13.5万円 - 広告宣伝費・会計・HP運営・積立など
8万円
経費合計85万円
もし家賃18万円を交渉して1万円減らすことができれば、経費の合計が減ります。
家賃18万円 ➡ 家賃17万円
当たり前と言えば当たり前ですが、ランニングコストを交渉したことと同じです。
そして家賃交渉をすると不動産物件取得費全体が下がります。
保証金は家賃17万円×10ヶ月=170万円と仮定
※保証金ではなく、礼金、敷金という場合もあり
不動産手数料は家賃1ヶ月分 17万円
前家賃1ヶ月分 17万円
家財保険他各種保険加入 4万円と仮定
合計208万円
不動産物件取得金額が家賃18万円だと220万円ですが、家賃17万円になると208万円になります。
1万円減らす家賃交渉をすると結果的に不動産物件取得金額も12万円も減ることになります。
不動産取得費を減らす意味
不動産物件取得費を減らすことができれば、店舗工事費を増やすことができます。
<実行予算1650万円の配分例>
不動産取得費 | 220万円➡208万円 |
---|---|
開業準備金 | 260万円 |
運転資金 | 170万円 |
美容機器 | 200万円 |
店舗工事費 | 800万円➡812万円 |
美容室開業の重要ポイントは、店舗工事費をしっかりと確保することです。
なぜなら、実行予算は変わらないからです。
集められる上限額=使える額=1650万円
不動産取得費を減らした分、お客様をお出迎えする店舗のクオリティなどを高める要素が増やせます。
不動産屋さんへの大事な交渉
不動産屋さんへの交渉には正しい手順があります。
知っておくだけで成功確率が変わるテクニックです。
間違っても物件の申し込み前から家賃交渉をしてはいけません。
最悪の場合、気に入った物件が借りられなくなってしまいます。
交渉の正しい手順
必ず最初に交渉するべきこと
- 融資の借入れが内定するまで本契約を待ってもらう
- 融資内定までは申し込みで対応してもらう
この交渉で融資内定までのカラ家賃の流出が防げます。
次に交渉するべきこと
- 家賃の交渉
(1万円でも5千円でも) - 不動産側の提示金額が全体的に下がる
この交渉でランニングコストが下がるので利益を出しやすくなります。
最後に交渉するべきこと
- 初期投資の総額を交渉
- 思い切ってまず半額で交渉してみる
この交渉でイニシャルコスト(初期投資額)を減らすことが可能です。
どんな不動産屋さんも3回も断るのは精神的に大変です。
交渉するまでに不動産屋さんと仲良くなり美容室開業についての想いを伝えておくと効果的です。
まとめ
良さそうな物件を見つけても、いきなり家賃の交渉などをしてはいけません。
まず物件が気に入ったことを伝えるべきです。
そして必ずプロに物件の設備状況をチェックしてもらいましょう。
なぜなら美容室に必要な設備が足りなければ工事費が高くなってしまうからです。
必ず最初にする交渉は、「融資の内定が出るまで契約を延期できるか?」です。
仕方なく契約となる場合、融資の内定が出ない最悪のケースで白紙撤回ができるか交渉しましょう。
それでもダメならカラ家賃を受け入れて流出費用を用意しましょう。
初期費用の減額交渉は家賃交渉からスタートです。
なぜなら保証金(敷金、礼金)、前家賃なども同時に下がるからです。
そして初期費用総額を思い切って半額にするつもりで交渉してみましょう。
すべてNGだったとしても、最後に「工事期間中の家賃の発生を遅らせられないか?」お願いしてみましょう。
美容室開業に必要なのは、知識とノウハウ、そして行動力です。
ダメでも失うモノは何1つありません。
不動産屋さんに交渉するだけで手元にお金を残せるなら経営者として必ず行動しましょう。
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